京都の老舗高級旅館「野草一味 美山荘」に泊まってみた

京都 美山荘

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今回は、京都にある上質な高級旅館「野草一味 美山荘」に泊まってきたので、その口コミを書きます。

まず、この宿には強烈な特徴があります。

クルマで行くのが、超難儀です!

起伏の激しい、そして曲がりくねった山道なのです。
道路の幅もクルマ一台がやっと通れる程度しかありません。
中にはガードレールが無い箇所も、多々見受けられます。
とにかくメチャクチャ危ない。
道路をよく見ると脱輪事故や衝突事故の跡が、ちょこちょこと見受けられます。
クルマで美山荘に向かう際には、充分に注意してくださいね。

そしてやっとたどり着きました。
ここが美山荘の入り口です。
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すごいでしょ!?
完全に自然しかない山奥なのです。
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到着したらこの入口を通り抜けて玄関先までクルマを乗り付けて大丈夫です。
京都 美山荘京都 美山荘
係の方の誘導がありますので、それに従ってクルマを停めてください。
あとは係の方がバレーサービスでクルマを駐車してくれます。

こちらが由緒正しい料亭旅館「美山荘」です。

京都 美山荘京都 美山荘
帳場はこちらになります。
京都 美山荘
帳場には硯と筆があります。
京都 美山荘
記帳は和紙の台帳に毛筆で行います。
京都 美山荘
日本古来からの伝統を踏襲されておられますね。
自分は日本人であるという自覚というかアイデンティティというか、そういうものを強く意識できます。
日本人としての誇りが高まる。
言い過ぎではないように思います。

その帳場を抜けて客間に向かいます。
まずは帳場のある本館「母屋」の一室に通されます。
京都 美山荘
客間に向かう廊下から、小さい庭園が見えます。
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この小さな庭の池もすごいです。
まず水です。
この池の水は、人の手の加わっていない天然の自然の山奥からしみだしてきた湧水なのです。
驚くほどに澄んだ水で、透明度が尋常ではありません。

この写真から見えますでしょうか?
実はこの池に鮎のような小魚みたいなものが泳いでいるのです。
ところがそれ、小魚ではないのです。
なんとイモリです。
水のきれいなところにしか生息できない生き物なんです。

イモリも安心して泳げる水。
究極の天然水であることがこんなところからもわかりますね。

こちらが客間です。
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こちらの部屋は、通常は受付のときの記帳とウェルカムドリンクを飲むときと御食事のときだけに使用する部屋だそうです。
いわばロビーの役割ですね。
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無駄なものが一切置かれていません。
洗練されていますね。
テレビも無いのですよ。

あ、そうだ。
ここで伝えておいた方がいいでしょうか。
アメニティ類は

ここは「山百合の間」です。
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そこでウェルカムドリンクを出していただきました。
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まずはおしぼりとほうじ茶。
ただのほうじ茶ではありません。
あけびをほうじたものです。
あけび茶はとてもスッキリした飲み味。
おそらく茶葉も良いのでしょうが、水も特別なはず。
仲居さんに伺ったところ、やはり特別な水だそうです。
人の手が加わっていない自然の山奥からしみだしている湧水を使っているそうです。
これはすごい。
仲居さんはさらにこのように教えてくれました。
「こちらでお出ししている御料理にも、全てこの湧水が使われております」とのこと。
実に期待できますね。

おしぼりもとても清潔なものを出してくれます。
臭いなど一切ありません。
おそらくこれも天然の湧水で洗濯しているのでしょう。
すごいです。

あけび茶は、なんと待っている間の「間をつなぐ」ためのものでした。
本番の出迎えのお茶は、なんとこちらでした。
京都 美山荘
御抹茶です。
御茶請けもご用意してくれました。
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これは自家製栗きんとんです。

ここは街を離れた山奥。
人工物や雑音はありません。
静寂の中で落ち着いてお茶とお菓子をいただく。
他に煩わせるものが無いと、目の前の事柄に集中できるものなのですね。
御抹茶と栗きんとんだけに意識が集中していることに気付きます。
過去に煩わされず、未来にも煩わされない。
まさに「今を生きる」という状態に集中できます。
神道で言うところの「中今を生きる」という状態ですね。
こちらの旅館は日本古来の風習というか世界観を大切にしておられると実感できます。

お茶を飲んでいるこちらの部屋は、というか母屋自体は、本来チェックインの受付の時と食事の時だけに使う棟です。
実は今回の宿泊した日は、本当は常連客によって貸切利用される予定だったそうです。
ところが予約受付ミスでわたしの予約を受けてしまったそうです。
なので本来は客室としては使わない、母屋の部屋がわたしの客室になるそうです。
これを聞いたとき、正直言うといらだちました。
だって本来泊まれるはずの立派な離れの部屋に泊まれないのですから。
しかも美山荘は高級旅館です。
今回は一泊二食付で10万円以上前払いしています。
それなのに本来泊まるはずの離れに泊まれない。
もちろんそのことは予約をした後に美山荘から連絡を受けていました。
だから承知の上で泊まりに来たのですが、来てみてやっぱり不満を持ってしまいました。

が。
その不満を一気に吹っ飛ばされました。
わたしはてっきり、いまお茶を飲んでいるこの十畳一間の部屋だけで過ごすのかと思っていました。
ところが!!!!!
これ見てください。
京都 美山荘京都 美山荘
全部で四部屋見えますでしょう?
これ全部、わたしの部屋にしてもらいました。

????意味わかりませんね。
ちゃんと説明します。

母屋にはチェックイン受入れ用と食事処用として、母屋に四室の客間を持っています。
わたしが今居る客間が一番広くて、ここが十畳。
それから書斎の間が1.5畳。
床の間が1.5畳ですね。

そのほかに六畳の居間が三つあるのです。
本来は障子で仕切って使われます。
それをこのように開け広げて、31畳の大部屋として使わせてもらえることになったのです。

!!!!!!すげー(笑)
離れの部屋の4倍以上の広さです。

いい!
これいい!
離れ使えないけど、こっちの方が断然いい!!

ということで、不満は一気に解消し、超ご機嫌ちゃんに変わってしまいました。
現金なものですね。
俺って小さい人間だなあ。。。。

まあそんな心の起伏がありつつ、とても嬉しいハプニングに大喜びの殿ちゃんなのでした。

こんな驚きの連続ですが、まだチェックインを済ませたばかりの段階です(笑)
この後には、お風呂をご用意いただきました。
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お風呂は母屋や離れとはまた別の棟にあります。
こちらがその風呂処です。
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こちらの建屋の中に、広い大浴場と小さい浴場の合計二つがあります。
今日は大きい方を使わせてもらえました。
浴室はこちらです。
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美山荘の脇に流れている清流を眺めながらお風呂に入れます。
露天風呂ではありません。
屋内です。

先に浴室を紹介してしまいましたが、脱衣場はこちらです。
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タオル類と基本的なアメニティ類は用意されてあります。

美山荘のお風呂で印象的なのがこれです。
京都 美山荘
炭製なのでしょうか?
真っ黒な石鹸です。
洗い上がりもとてもさっぱりしているし、肌もスベスベになります。

お湯は温泉ではありません。
こちらも天然の涌き水です。
肌触りがとても柔らかいので、温泉なのかと間違うほど肌触りが良いです。

美山荘のお風呂も非常に素晴らしいです。

風呂から上がったら、お部屋に湯上がりあとのお飲みものをご用意いただきました。
京都 美山荘
自家製の赤しそジュースです。
しかも炭酸。
言うまでもないですが、非常に美味しいです。

お風呂から上がったら、部屋に冷水を用意してくれていました。
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お風呂のあと、楽しくてというのか、素晴らしい宿と自然に囲まれた環境にすっかり興奮してしまったのか、無性にお酒を飲みたくなってきました。
我慢できず、結局、湯上がりに一杯やることにしてしまいました。
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最初の一杯目は、地元である丹波の地酒「弥栄鶴」の純米吟醸。
とても美味しいです。
甘味もあるのに、すっきりとしていて飲みやすい。
至福のひと時です!
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しかもこちらのおちょこととっくり。
なんと国宝級の代物です。
古伊万里焼きです。
もうたまげてしまいます。

なんとアテまで用意してくれました。
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ゴリの佃煮です。
ゴリというのは、すぐそこの清流で捕れた天然の川魚です。

素晴らしく地酒に合います!
酒が進んで進んでしょうがないですw

もうすぐ御夕食なのに、我慢できずに地酒を二杯目に突入。
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二杯目の地酒は、石川県のお酒「手取川」の純米吟醸です。
これも上品な味わいです。
それでいてふくよかというか、米の甘みがふんわりと口の中に広がります。

先ほどのアテを平らげてしまったら、仲居さんが気を利かせておかわりを持ってきてくれました。
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なんて気遣いの素晴らしい宿なんだ。
素敵です。
しかも種類の違うアテを出してくれました。
こちらは、「鮎のうるか」と「ごぼうと青山椒と花山椒」。

うるかとは内蔵を塩漬けにした発酵食品です。
美山荘のうるかは、なんと20年も熟成させた超ビンテージものでした。
すごい!

もう一品は、ごぼうと青山椒と花山椒をあえたものを出してもらいました。

どちらも素晴らしく地酒に合います!
酒が進んで進んでしょうがないですw

うるかは、単品で食べるにはちょっとクセが強すぎますが、酒の肴としていただくと、それはもう素晴らしく美味しい一品でした。
最高のひと時だ。

風呂上がりに湯上がり晩酌しているうちに、御夕食になりました。
ではこの流れで御夕食の口コミも書いてしまいましょう。
まずは八寸です。
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見てくださいよ。
旬の草花でも季節感を演出しています。
摘み立てのすすきの穂をあしらってあります。

すごいですね。
三方に盛りつけられてあります。
昔からの儀礼を重んじている証ですね。

料理はこちら。
茗荷、あからのお寿司、鮎の一夜干し、銀杏、こんにゃくと栃の実のおもちのあられ、丹波の栗、卵黄の味噌漬け。
素晴らしい内容ですね。
これらはまず自分では仕入れられないし調理もできない。
そして季節感もある。
こういうものを「特別」だといいます。

わたしの中に基準があるのですが、それは「その御料理をわたし自身が作れるか否か」です。
どんなに素晴らしい御料理でも、たとえばステーキのように、高級な肉さえ仕入れることができればわたしでも再現できるような料理は高く評価しません。
再現性が高いからです。

話を元に戻しましょう。
つまり美山荘のこの八寸は、わたし程度の腕では到底調理などできるはずもありません。
だからすごいのです。

そして盛り付け方も立体的で美しいです。
素晴らしいですね。

次の御料理に行きましょう。
次はこれです。
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御造り、先付、椀物です。

御造りは、なんと鯉です。
京都 美山荘
厨房の横にいけすがあり、そこに鯉を養殖しています。
女将が教えてくれたのですが、美山荘の御造りで出される鯉は、生まれてから一度も濁った泥水に触れたことが無いそうです。
すごい鯉ですね!
まるでヤマメとかイワナみたいな環境で養殖をしているのです。

食べてみて非常に驚きました。
確かに全く臭みが無いのです。
歯ごたえは多少固く感じますが、味わいは、一瞬、旨味がいっぱい詰まった真鯛かと間違えそうなほど美味しいです。
わたしの親戚が岐阜県で鯉を養殖しているのですが、その鯉とは全く比べ物にならないほど美味しいです。

素材からして既に他を圧倒している。
美山荘の地力の高さを物語っています。

もうひとつの御料理は先付ですね。
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連れの者が誕生日だと伝えたら、ささやかですがと赤飯もご用意くださいました。
先付の御料理はこちらです。
こうるか、胡瓜、百合根に練梅、丹波の鯛、求肥。
先付も非常に味が繊細で美味しいです。
地酒にもとても良く合います。

椀物はこちらです。
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胡麻豆腐とサツマイモのすり流しです。
胡麻豆腐は、ごまの旨味が相当濃縮されていてすごいです。
濃厚!!!ていうのが食べた感想ですね。
インパクトありますね。
サツマイモのすり流しは、甘みが程よく出汁との相性も良くて素晴らしく美味しいです。
究極的に美味しいものを食べると、「美味しい」とか「素晴らしい」としか言えなくなりますね。
これではライター失格です。

次はこちらです。

変わり椀という献立です。
坊ちゃんかぼちゃがお椀の役割も果たしています。
だから変わり椀といいます。
中の御料理は、ポルチーニ茸(ヤマドリダケ)の煮物。

この御料理、とても不思議な味がします。
ポルチーニ茸を煮ているソースは赤ワインの風味がする気がします。
でもそれでいてベースの味は和風出汁ぽい。
洋風っぽい味わいなのですが、でも確実に和食の味がする。
和洋折衷の創作料理っぽいですが、やっぱり和食と感じる。
変わりダネを仕込んできても、和としての道からはブレない。
ここの料理長は凄腕ですね。

では次の御料理に行きましょう。
京都 美山荘京都 美山荘
こちらは、京都牛の煮こごり赤万願寺詰めです。

大変ビックリしました。
まさか京都牛の御料理がいただけるとは思ってもみなかったので。

数日前、大手スーパーマーケットの仕入れ担当の役員さんと会食したとき、その役員さんから教えてもらったのが京都牛です。
京都牛は非常に希少な食材だそうです。
その多くが地産地消で、域外に出荷されることはほとんど無いという「幻の和牛」と言われているのです。
その話を聞いた数日後に、まさか食べることができるだなんて、本当に驚きました。

食べた感想は。
ひと言でいうと、上等上質です。
とても品のあるすっきりとした味わいです。
煮こごりも口の中で溶けていくのが感じられるほど繊細な作りです。
非常にレベルが高いのが良くわかります。
すごいです。
美山荘の御料理は本当にすごいです。
ぜひ泊まってみてください。

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